地中から突き出した針山のような景観。
無数の尖塔が天に向かって伸び、それらは何千年もの間、同じ場所に佇んでいる。
茶、黄、白、ピンク…
何色もの色彩で彩られた尖塔状の岩群。その先頭にハンマーのような不思議な形状を持つものもある。
自然の偶然が生んだ独特の景観を誇るこの渓谷は、ポンソーガント高原の砂岩層が、長い歳月をかけて侵食され、出来たものだとされている。
美しい横縞を持つ奇妙な岩の群れは、夕暮れ時、そして日の出の瞬間には、さらに色を変え、神秘的な表情を見せる。
また、想像以上に標高が高いこのエリアは、豊かな生態系を育み、冬には積雪や降霜などであたり一面を銀色の世界へと変化させる。
雪景色の尖塔岩群は、あたかも白いベール被って祈りを捧げる修道士のように佇む。
現在も少しずつ侵食が進んでいるため、その端を西へへと延ばしながら、独特で不思議な渓谷美を造り続けているのだ。
ブライス・キャニオンは、1924年、国立公園に指定され、大切に保護されている。
【BRYCE CANYON NATIONAL PARK】
総面積:145平方キロメートル
園内の最高地点: 標高 2,775 m
※国立公園内のメイン・ポイント間は、夏季のみシャトルバスが走っている。
|