旅で出会った不思議なこと、おもしろい事件、悲しいこと等など・・・つれづれなるままに、書き綴り候・・・。
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リラックス・スペース 〜パリにて〜
Report : SACHIKO

表通りから一本裏に入り、パリの住宅街を散策していました。すると突然立派な門が・・・。どんなお屋敷?と思いきや、そこには巨大な公園が広がっていました。その周りは緑で囲われていたので、まったくその存在に気がつきませんでした。

それは「リュクサンブール公園」だったのです。 適当なベンチに腰を下ろしてまわりを見渡すと、濃い緑色の芝生が広がり、石造が花に囲まれ、背後ではペタンクと呼ばれるスポーツをしている人々がいました。
耳に入る音といえば、垣根越しに聞こえてくるその鉄球の当たる音くらい…。

他の人が何をしているかというと、本や音楽・絵を楽しんだり、気持ちよく昼寝したり・・・本当に様々です。リラックスし切っているその姿を見て、私はどーんと肩の力が抜け、穏やかな気持ちになりました。真夏の暑い日差しも木々に遮られて、そこだけは本当にさわやかで心地よい空間でした。
でも普段そういう場所に恵まれていないからか、いざそのように贅沢な場所を与えられると何もできず、他の人を真似て本を読んでみても、15分おきに時計を見る始末。

翌日もその次の日も、同じ公園の同じベンチへ行きました。目まぐるしく変わる世の中にありながら、そこでは毎日同じ景色を見せてくれました。日に日に私も落ち着いて時間を過ごすことができるようになり、最終日に持参して食べたリンゴの味は格別でした。観光場所を増やすかわりに、そこで過ごす時間を私は選びました。

きっと その場所は、再び訪れるときにも同じ風景をしているのではないかと思います。今回の旅でパリをうらやましく感じたのは、郊外ではなく、「すぐそこ」にそういった場所があるということです。週末や連休に改まって行かなくても、昼休みや通勤中に立ち寄ったり横切るだけでも心洗われる場所だと感じましたから・・・・。

つれづれなるままに旅日記

No.035


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