地球上の約10%の生物が生息域を奪われたり、気候変動や外来種の侵入などの環境の変化により絶滅の危機に瀕していると言われています。
そして、世界中で絶滅が危惧される動植物の9.1%を占めるのが、オーストラリアの固有種。
現在、380種の生物が、1999年に連邦政府によって制定された環境・生物多様性保護法(EPBC法)(*3)の下で保護されていますが、危惧は拭えません。
【参照】オーストラリアの絶滅危惧種
EPBC Act List of Threatened Fauna - オーストラリア環境省
(*3)=EPBC法は、生物多様性に関する条約の調印国としてオーストラリアの果たすべき義務を明確にするために制定。
その土地のネイティブにこだわる
Native(ネイティブ)とは、その土地生まれの、地元の、という意味。
日本でも最近は、『地産地消』という言葉の広がりと共に、その土地の物をその土地で消費するという考え方が定着してきているため、“その土地のもの”にこだわる人も少なくないのではないでしょうか?
熱帯から砂漠まで多様な気候帯が存在しているオーストラリアでは、それは食べ物に限ったことではありません。
例えば、庭。
ガーデニング好きな人は、色とりどりの珍しい花々を植えたいと思うかもしれませんが、できる限りネイティブ種の植物を植えるよう、国を挙げて推進しています。また、地域によっては、元々そこに自生していた固有種である樹木を勝手に切り倒すこともできません。それが、自分の土地の中であっても、です。
オーストラリアは、入国時の検疫検査が世界でも最も厳しい国と言われていますが、これもまた、ネイティブ種を守るため。海外からの輸入はもちろん、国内であっても異なる気候帯で独自の生態系を有す州やエリア毎に規制することで、害虫や他エリアの動植物の侵入を避け、地区固有の自然生態系にダメージを与えないよう努力しています。
【参照】オーストラリアの検疫情報
- オーストラリアNOW Travel 〜オーストラリア旅行情報サイト